日光浴で健康効果を得る方法と注意点

日光浴

日光浴にはさまざまな良い効果があるといわれています。日本ではあまりポピュラーではありませんが、海外では非常にポピュラーな健康法の一つです。
今回は日光浴による効果と手軽にできる日光浴の方法について紹介します。

日光浴の健康効果

フィンランドやスウェーデンなどの北欧諸国では、冬季になると日照時間が短くなります。
どのくらい短くなるのかというとフィンランドの場合、日照時間が6時間ほど。
6時間もあれば問題ないのではと思うかもしれませんが、日の出時間が9時頃、日の入り時間が15時前後です。
これを日本の生活にあてはめて考えてみると、出勤時は日が昇っておらず真っ暗、退勤時も日が暮れて真っ暗。
明るいのはお昼時だけと考えると、日照時間の短さがわかるのではないでしょうか。
この時期の北欧諸国では、気分が落ち込む、体がだるい、疲れやすいなどの抑うつ状態(SAD)となる季節性うつが古くから問題になっています。
日本でも日照時間が減る梅雨や冬になるとSADになる人が出てくるそうです。
一般的にSADは、脳内で分泌されるセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の不足が引き起こされるといわれています。
また、日照不足により、ビタミンDが生成されないことも一因と考えられています。

日光浴によって分泌される神経伝達物質

日光には神経伝達物質を分泌する効果があります。日光が網膜を刺激してセロトニンやドーパミンを活性化してくれるのです。
上にも挙げたように日光を浴びない生活をしていると、セロトニンやドーパミンの分泌が減少してしまいます。

セロトニンとは

セロトニンは、中枢神経系で働く神経伝達物質の一つです。
必須アミノ酸であるトリプトファンから作られ、主に大脳基底核や延髄の縫線核、視床下部などに存在します。
セロトニンはストレスや不安に影響するノルアドレナリンや快楽に関連するドーパミンなどを抑制する働きがあります。
そのため、セロトニンが不足するとうつやパニックなどを引き起こす原因となるのです。

ドーパミンとは

ドーパミンも中枢神経系で働く神経伝達物質の一つです。
生きるために必要なやる気を促し、幸福感をアップさせる効果があります。
また、仕事や学習などに必要な情報を一時的に記憶・処理する能力「ワーキングメモリー」にもドーパミンが影響を与えるとされ、ドーパミンの分泌が活性化されることで、学習能力や仕事効率のアップが期待できます。
逆に不足するとやる気が起きなくなり、記憶力や作業効率の低下につながるのです。

日光によって生成されるビタミンD

日光を浴びることで体内にビタミンDが生成されます。
ビタミンDには、食物からカルシウム吸収を促し、血液中のカルシウム濃度を一定に保つ働きがあります。骨量を保ち、骨粗しょう症を防ぐためにビタミンDは必須です。
最近の研究ではビタミンDにはさまざまながんに対して予防効果があるとわかっています。
1日に必要なビタミンDは15μgとされ、食物で摂れる量は5.5μg程度です。足りない分は日光かを浴びて生成する必要があります。
必要時間は場所や季節、時間帯によって異なりますが、15~30分程度で十分です。

日光浴の方法

日光浴の正しい方法をマスターすることで、あらゆる効果が期待できます。疲れやすい、ストレスが多い、やる気がでないなど感じている方は日光浴を意識した生活を始めましょう。

目安は15~30分

長時間の日光浴は身体に負担をかけてしまうため、15~30分ほどを目安としましょう。
日差しの強い日は、直射日光が当たらない木陰などで15分ほど、冬や曇りは30分ほどで十分です。頻度も毎日ではなく週に2~3回がおすすめです。
日陰や曇りでも日光に含まれる紫外線が降り注いでいるため、健康効果は得られます。

時間帯は午前中が理想

日光浴は午前中に行うのが理想です。午前中に行うことでセロトニンが増やしやすく、体内時計も整えられます。
正午から午後にかけて紫外線量が増えるので注意しましょう。

手のひら日光浴

普段、光が当たらない手のひらや腕の内側に光を浴びる方法です。手のひらでもビタミンDは生成されます。
ビタミンDが不足するのは日差しが弱い冬場なので、冬は手だけでも日焼け止めを使わずにビタミンDをしっかり作ることをおすすめします。

季節の行楽と組み合わせよう

季節の行楽と日光浴を組み合わせれば、自然に楽しみながら日光浴ができます。ただし、浴びすぎには注意が必要です。

日焼け対策をしておこう

日光浴を行う場合、日傘、帽子、長袖、サングラスなどで日焼け対策をしましょう。
日焼けが気になるなら、手のひらや足の裏など部分的な日光浴でも効果があります。

窓ガラス越しだと効果が望めない

ガラスは日光に含まれる紫外線をカットしてしまうので、窓越しの日光浴はあまり効果が望めません。
紫外線にはUVAとUVBの2種類あり、ビタミンDを生成するUVBはガラスを透過しないためです。そのため、日光浴をするのであれば屋内でビタミンDのために日光浴するなら窓ガラスを開けて網戸越しに行ってください。
一日中、引きこもっていると食事から十分なビタミンDを取らないと不足してしまいます。

日焼け止めはビタミンD生成を阻害する

日焼け止めが防ぐ紫外線の波長と、ビタミンDを生成する紫外線の波長がほとんど同じです。そのため、日焼け止めを使ってしまうとビタミンD生成効果が大幅に減少してしまいます。
環境省によるとSPF30の日焼け止めを使うとビタミンD生成量が5%以下になるそうです。

日光浴の注意点

日光浴のメリットや方法について紹介しましたが、浴びすぎにも注意が必要です。日光に含まれる紫外線を浴びすぎると皮ふを乾燥させ、シワやシミの原因になるだけではなく、細胞のDNAを傷つけてしまう恐れがあります。傷ついた細胞は修復する機能がありますが、繰り返し傷つけられるとDNAの突然変異が起こりやすくなり、その部分ががんの発生に関するDNAの場合、がんとなってしまいます。
そのため、日光浴における注意点について紹介します。

紫外線量に注意

紫外線の量はゴールデンウィークを過ぎたころから7~8月がピークです。過度な日焼けはさまざまな病気のリスクを上げてしまいます。
そのため、日差しの強い日は日焼け止めを塗る、長袖の衣類を羽織る、サングラスをかけるなど、紫外線対策をしっかり行いましょう。

日光アレルギーのリスク

日光を浴びた後、皮ふにかゆみや赤み、水ぶくれなどの症状が出る日光アレルギー。
日光を浴びることで発生または悪化する皮ふ疾患の総称で、光線過敏症や日光過敏症とも呼ばれています。
総称とあるように日光アレルギーはいくつかの病気をまとめた呼び名です。
日光アレルギーに遺伝や代謝の異常が原因の内因性のものと、薬剤や化粧品がきっかけでなる外因性の2つに分けられます。

内因性の日光アレルギー

詳しい原因は解明されていないものが多く、遺伝や他の病気が関連していて、日光に含まれる紫外線や可視光線を浴びることで症状が現れます。
日光を浴びることで蕁麻疹や湿疹、水ぶくれ、シミなどの症状やめまいや頭痛など全身症状を伴うこともあります。

外因性の日光アレルギー

薬や化粧品などを塗ったり、服用したりしたことがきっかけでなります。
一部の薬品や化粧品、香水、果物、野菜には光に過敏に反応する物質が含まれており、それらを体内に取り込み、日光を浴びることで化学反応が発生。
皮ふに何らかの症状を発生させると考えられています。
外因性の日光アレルギーには光アレルギー性があることがわかっています。

光アレルギー性

体内に取り込まれた原因物質が紫外線と化学反応を起こし、アレルギーの原因物質が作られます。
すると、原因物質が取り込まれた際、紫外線を浴びると過剰な免疫反応が起こり、腫れやブツブツ、水ぶくれ、かゆみなどの症状が現れます。
こうした症状は花粉症のように抗原が作られた人にのみ起こり、ごくわずかな量であっても症状が出やすくなってしまうのです。

光毒性

薬や香水などに含まれる物質に紫外線が当たることで、作られた活性酸素が細胞などを攻撃し皮膚炎が起こるものです。
光毒性は一定の原因物質、一定の紫外線を浴びると誰でも起こる可能性があります。
紫外線を浴びて数分から数時間後に、赤みや腫れといった症状が現れその後、落屑や色素沈着を起こします。

日光アレルギーの予防方法

内因性の場合、発症自体を抑えるのは難しいですが、衣服や帽子、日傘などで遮光対策をすることで悪化を予防できます。
外因性の場合、薬や化粧品などを使用する前に注意事項を確認し、正しい使用方法が予防方法です。
中でも湿布は要注意です。湿布に含まれる「ケトプロフェン」という成分は、副作用として光線過敏症があります。
これは湿布を貼っているときだけではなく、剝がした後も成分が皮ふに残り続けるため、4週間程度は貼っていた部分に日光を当てないようにしましょう。
他にも光毒性のある物質として「ソラレン」があり、柑橘類やハーブ類、きゅうり、じゃがいもなどが代表的な食材です。
ソラレンは紫外線を吸着する性質があるため、朝食として食べた場合、普段より紫外線に強く反応してしまうので注意しましょう。

まとめ

日光浴の効果としては、セロトニンの分泌によるリラックス効果や、ビタミンDの生成による骨粗鬆症予防効果、抗うつ効果などがあります。
また、免疫力の向上や、睡眠の質の改善なども期待できます。
しかし、適度な日光浴を心がけることが大切で、過剰な日光浴は逆に肌を傷める恐れがあるため注意が必要です。長時間の日光浴は避けるようにしましょう。
紫外線対策をしっかり行い、帽子や日傘、日焼け止めクリームを使用することが大切です。日焼け止めはSPF値が高いものを選び、肌に合わない場合は使用を中止することも重要です。